2200形電車

概要


■はじめに

 様々な新要素を取り入れて運行が開始された2000形電車ですが、従来の形式と異なる前面非貫通の運転台、転換クロスシートからロングシートにしたことによる、背もたれの低くなった枕のない座席等は運転士・旅客双方から不満が出るものであり、これらの不満を解消させつつ、今後の瑞霞電鉄を担うにふさわしい車両となるように発展を遂げた、瑞霞電鉄における一つの完成形ともいえる車両が2200形電車です。

 2017年末より、2018年度のダイヤ改定に向けて順次導入され、22編成を導入しました。

■エクステリア


 2200形電車では、2000形電車でありましたセミクロスシート車両の設定は無く、ロングシート車両のみの設定となりました。

 数年前に学園都市が造成されたことによって瑞霞電鉄を利用する旅客が増加しており、このまま増加していくのであれば、クロスシート車・セミクロスシート車では混雑に対処しきれなくなるという判断によるものです。そのため、各車両の側引戸は3扉としました。

 

 インテリアの項でも触れますが、座席は背もたれを頭部まで伸ばしたため、側面の窓自体の大きさは2000形電車と同じ大きさとしつつも、窓下端から座席上端までの間を座席の背面が見えないように黒で処理を施しています。

 

 前面の塗装は2000形電車と同様にブラックフェイスとしています。私が好きだからです。2200形電車の車体は直線的なデザインとしましたから、警戒色代わりの黄色も直線に塗り分けられています。

 

 前頭部は新たに転落防止幌を設置しました。これにより、2編成を連結したときに編成の間にも転落防止幌があることにより安全性が向上しております。

 また、この転落防止幌は急曲線に対応できるよう、上下2箇所ずつとしています。運転士の視界が確保できるように運転台側の転落防止幌を低めにしています。

 前面に転落防止幌を設置する都合上、1800形電車以前のような切妻スタイルではなく、折妻スタイルとなりました。

 この箇所における処理方法としまして、角を丸めた切妻スタイルや、角を落としたスタイルも考えられますが、この場合、窓ガラスの前面から側面に至る箇所が曲面になることにより視界が歪むことや、ピラーを設けることにより視界が開けないことからに却下され、曲面がない折妻スタイルとなりました。

 折妻スタイルにおける屈折は誤差の範囲と考えます。誤差でなければ屈折率の抑えられた窓を採用するでしょうから。

 転落防止幌を設置したことによる変更点として、尾灯を腰部から頭部へ移動させました。これは、線路内において作業を行う技術係員が、立ち位置により尾灯が転落防止幌に遮られて見えなくなる恐れがあるためです。

 屋根を覆うカバーを前頭部まで伸ばしました。前頭部と屋根が一体となり、スタイリッシュになったかと思われます。

 

 側面は濃紅とのコントラストと精錬さを表現したいことから白を配しています。窓周辺は黒を配することにより窓の高さが狭まったことによる違和感を減少させています。また、車両を引き締まらせる効果があります。

 各号車の山側後位ドアは、車内ドア付近にフリースペースがあることからピクトグラムを配しています。

 側引戸は2000形電車と同様に黄色を配して乗降口であることを分かるようにしています。

 

 スカートは前部と同じように奥行きをもたせていると同時にジャンパカバーを側面まで大きくすることにより、ジャンパ線接続作業のしやすさを向上させました。

 

 側面の行先表示器の隣には号車番号を表示するLEDを新たに設置しました。分割・併合が行われる列車の案内性向上や、旅客が現在、何号車に乗車しているか分かりやすくなることと考えております。

■インテリア

 座席は2000形電車で課題となっていました背もたれの低い座席を止め、2030形のクロスシート座席に近い、枕付きの座席としました。

 座面高さは 450 mm 、背もたれの高さは 枕を含めて850 mm とし、座面と背もたれの角度を 105° となるように設計しています。

 座席の布地は化学繊維ですが、枕は衛生上等の観点から合皮を使用しています。

 カーテンはフリーストップ式が好みではありますが、事実上の採光可能な窓開口部が 450 mm しかありませんから、窓上部より 300 mm と 450 mm の2箇所に留めることのできる巻き上げ式を採用することとしました。カーテンの柄はどうしましょうか。

 各号車、山側後位にフリースペースを設けています。

 

 転落防止幌設置に伴う視界確保の観点から、2200形電車は1800形電車と比較しまして運転台の位置を

100 mm 上方向へ移動させており、この箇所も床面から 100 mm 上げています。運転台位置の変更に伴いまして、本来ならばエクステリアで触れるべき事項ですが、乗務員室を表すピクトグラムを乗務員扉の窓上部から窓下部へ移動させています。 

※画像はいつか修正します。

■機器類

 装備する走行機器類は、2000形電車と同一の装置を搭載しています。

 2200形・2250形には主制御装置と蓄電池、2300形に集電装置と補助電源装置、空気圧縮機を搭載しています。

 

 2200形電車では揺れを抑えるために各車両間に車端ダンパを搭載しました。瑞霞電鉄の車両は小型であることからヨーが発生しやすいですから、この装置により揺れが抑えられることを期待しています。

主要諸元表


 

2200形

2250形

2300形

定員

97人(座席28人+立席69人)

108人(座席34人+立席74人)

97人(座席28人+立席69人)

重量

34.7 t

32.7 t

34.6 t

 連結面間距離

14 650 mm

車体長

14 050 mm

車体幅

2 750 mm

車体高

4 000 mm

台車中心間距離

8 650 mm

固定軸距

2 000 mm

主電動機

200 kW × 4 / 両

制御方式

IGBT-VVVFインバータ制御

加速度

2.81 km/h/s (0.781 m/s^2)

減速度

5.0 km/h/s

最高運転速度

60 km/h

車体

先頭部:FRP、その他:ステンレス

台車

車体支持装置 インダイレクトマウント式
軸箱支持方式 積層ゴム片支持式
ブレーキ方式 電気指令式空気ブレーキ(ブレーキ読み替え装置付)